【住宅ローン審査について】の目次です

住宅ローンの事前審査について
事前審査というのは、ローンが通るかどうか、本申込みを行う前に、審査に通るかどうかを事前にある程度ローン会社に見てもらうというものです。
氏名、生年月日、住所、勤務先、勤続年数、年収などが記入された「事前審査申込書」を元に、審査されます。
本申込みの場合は、収入については、収入証明書を提出して年収を証明する必要がありますが、事前審査では、収入証明の提出の必要はありません。
事前審査申込書に書かれた内容を審査されます。
事前審査が通れば、本申込みの時に、事前審査と同様の内容で申込み、証明書類をすべて提出して、間違いがなければ、本申込みでも融資可能になります。
いくつか候補にあげている金融機関に、事前審査を申し込んで、承認が下りた金融機関の中から、金利や保証料などを考慮して最適なところに、本申込みをされるとよいと思います。
住宅ローンの審査のポイントについて
住宅ローンには、審査があります。
当然ですが、審査を通らないと、融資は受けられません。
住宅ローンを申し込むためには、事前に多くの書類準備をしなくてはいけません。かなりの手間と労力がかかります。審査に通らないと、それらの手間と労力が全て無駄になってしまうことになるのです。がっかりですよね。
そうならないためにも、事前に審査についての傾向と対策についてしっかりと研究しておく必要があります。
住宅ローン審査の特徴は、マイホームに対しての審査も行われるということです。マイホームを担保にして融資するわけですから、当然といえます。
マイホームの審査のポイントは、返済比率と担保掛目です。
● 返済比率
返済比率とは、「年収」に対する「住宅ローンの年間返済額」と「その他の借入年間返済額」(マイカーローンや教育ローンなど住宅ローン以外の返済をしている場合のみ)を足した金額の割合(%)になります。
返済比率は、以下のように計算されます。
(住宅ローン年間返済額+マイカーローン返済額)÷年収
一般的な銀行審査の場合、返済比率が35%以内なら、審査は承認されます。
変動金利や固定金利選択型で借入れる場合は、「審査金利」と呼ばれる金利(一般的には3%〜4%程度)で、返済比率が計算されます。
返済比率は、金利が上昇した場合でも、住宅ローンの返済を安定的に行っていけるかどうかを確認するための設定となっています。
なお、返済比率については、金融機関により40%〜45%まで認められる場合もあります。
●担保掛目
担保掛目とは、マイホームの「価値」に対する「住宅ローン借入希望額」の割合(%)になります。
担保掛目は、以下のように計算されます。
住宅ローン借入希望額÷購入価格
最近では、担保掛目100%(頭金ゼロのこと)まで可能である住宅ローンが増えていますが、住宅金融公庫のフラット35などのように、担保掛目80%までという審査基準を設けている住宅ローンもあります。
住宅ローン 審査に通らないケースとは
住宅ローンを申し込むためには、事前の準備に、かなりの手間と労力を要します。
審査に通らないと、それらの手間と労力が全て無駄になってしまいます。
がっかりすることもさることながら、いったいどこがマズかったのだろう? とあれこれ気になってしまいますよね。
しかし、審査に落ちた理由は、明らかにされません。
審査を断る時は、断る理由を述べてはならないという規制があるからです。
どうせなら、ダメだった理由をはっきり教えてもらった方が、よほど気分もスッキリして、あきらめもつき、対策も立てられ、次を探せるというものですのにね^^。
ではここでは、一般的に、断られるケースというものをいくつかご紹介したいと思います。
参考になれば幸いです。
ケースその1 勤続年数に問題がある場合
一般的な審査基準として、勤続年数が最低3年間は必要になってきます。すなわち同じ会社に3年以上勤めている必要があるわけです。
貸し手側は、その人が安定した職につき、安定した収入を得ているか、将来も得られるどうかを判断しているのです。
もっとも、最近では、終身雇用時代も終了して、転職に対する理解も深まり、転職市場も活性化していますので、特に勤続年数にこだわらないところもあるようです。
ですが、やはり、短期間に転職ばかりをくりかえしていたり、転職してまだ日も浅い、などという状況では、審査の目も、かなり厳しくなってしまうようです。
ケースその2 消費者金融に借金がある場合
消費者金融に借り入れがある場合は、やはり銀行側も難色を示す場合がほとんどのようです。
返済比率に問題なく、住宅ローンを組んだ場合でも、しっかり返せていけると判断されれば問題ありませんが、
一般的に、複数の消費者金融会社から借入れがある場合は、経済的困難な状況に陥っている場合が、ほとんどです。住宅ローンを組んでいるどころの話ではないのかもしれません。
住宅ローンの申請は、まずは、きちんと消費者金融の返済を完了されてからのお話になるようです。
ケースその3 借り手の健康に問題のある場合
ほとんどの場合、住宅ローンの審査には、団体信用生命保険の審査が必須となります。
団体信用生命保険は、借り手側に、万が一のことがあった時、住宅ローンの残高を完済してもらえる保険です。
借り手側に健康上の問題があり、この保険の審査に通らないと、もし、借り手側に万一のことがあった場合に、保険がおりないわけですから、銀行としてもできればそのような借り手には貸したくないというのが本音でしょう。
ケースその4 対象物件に問題がある場合
市街化調整区域にある物件や、建ぺい率をオーバーしている物件、違法建築など、対象物件に問題がある場合も、当然ですが、審査は通りません。
※ ワンポイント用語解説 1 市街化調整区域とは?
都市計画区域の中で、市街化を抑制するための区域です。
山林地帯や農地などが中心です。市街化調整区域には、基本的に、住居を含め建造物は、許可なしで建てられません。(ただし、例外もあります。国、都道府県、指定都市が建てる建造物。都市計画事業の施工として行う建造物。都市区画整理の一環として行われる場合。などです。)
※ワンポイント用語解説 2 建ぺい率とは?
建ぺい率とは、敷地内でどの程度の建物を建ててよいか、どのくらいの空き地を確保しなければならないのかという度合を示す値です。(建築面積を敷地面積で割った数字を%で表したものです。
)この限度を超えてしまうと、建ぺい率オーバーとなり、建築基準法違反となります。
ケースその5 申告所得が少ない場合
個人事業主の場合、過去2〜3年に渡り、安定した所得を申告しているかどうかが、審査の基準になるようです。
家族経営の場合は、総収入など全体的なキャッシュフロー(実際の現金の流れ)が審査対象に加味される場合もあります。(帳簿の記帳は必須です。)
節税対策を行っている場合、自己申告は低めに設定されていますので、実際の収支をチェックするために、領収書や銀行通帳のコピーなどを審査対象にするという柔軟な対応を示してもらえる金融機関もあるようです。
ケースその6 その他の場合
・自営業(個人事業主、会社経営者、フリーランスのデザイナーなど)の場合
ケースその5とも関連するのですが、自営業の場合は、申告所得
の内容によって左右されますが、一般的に見て、どうしても審査に通りにくくなってしまうようです。
・契約社員、派遣社員の場合
ケースその1でもご紹介しましたように、貸し手側は、その人が安定した職につき、安定した収入を得ているか、将来も得られるどうかを判断していますので、契約社員・派遣社員でいること自体が不安材料となってしまうようです。
・頭金が少ない場合
中には、100%融資可能(頭金なしでもOK)の住宅ローンもあるようですが、その他の審査基準をクリアしていなければならず、実態は、かなり厳しいようです。
住宅ローン 審査に受かるための心がけ その1〜その2
心がけその1 自己資金を、なるべくたくさん貯蓄しておきましょう
マイホームを購入する際に、必要な諸費用は、マイホーム購入価格のおよそ7〜10%程度になるといわれています。
例えば、購入価格が3,000万円の場合は、300万円、4,000万円の場合は、400万円くらいの貯蓄は必要となってきます。
住宅ローン借入れ後も、引き続き貯金は、必要です。
より有利な住宅ローンに借り換える場合など、貯蓄がある方が断然有利だからです。
中には、「自己資金ゼロ」で、諸費用まで住宅ローンに組み入れてしまう方もいらっしゃるようですが、これは、はっきりいって、かなり無謀なやり方ですので、あまりおすすめできません。
心がけその2 返済比率を35%以内に抑えましょう
「住宅ローン 審査のポイント」のところでも、ご紹介しましたように、
一般的に審査の目安として「返済比率が35%以内」という基準が設けられています。
返済比率とは、ローンの年間返済額の合計金額が年収(税込み)に占める割合のことです。
「年収」に対する「住宅ローンの年間返済額」と「その他の借入年間返済額」がある場合は、その分(マイカーローンや教育ローンなど住宅ローン以外の返済をしている場合のみ)を足した金額の割合(%)になります。
返済比率35%とは、ざっと見積もって、手取り収入の約4割近くが住宅ローン返済に充てられてしまうことを意味します。
返済比率は、低ければ低いに越したことはありません。
しかし実際問題として、返済比率を抑える方法は、住宅ローン以外にローンを組まない、年収をあげる、
少しでも臨時収入を増やす方法を考える(投資などを行って貯蓄を増やされるのも一案ですが、リスクを伴いますので慎重に)など、かなり限られてはいますが、限られた範囲内で最大限の努力を試みてくださいね。
住宅ローン 審査に受かるための心がけ その3〜その4
心がけその3 使わないクレジットカードは解約しましょう
カードローンも意外に盲点になるようです。
カードローンは、50万円や年収の○○%までというような、一定の利用限度額の枠内なら、ATMなどで自由に借り入れや返済ができます。いわゆる消費者金融系カードローンなどによくありますよね。
これは、実際に借りていなくても、カードを持っているだけで、その利用限度額の一定割合、たとえば5%相当額を返済していると見なされてしまうらしいです。
すなわち、クレジットカードのキャッシング枠も、カードローンと同じような扱いになってしまうのです。
クレジットカードは、継続して持っていると知らぬ間にキャッシング枠が広がっているようなことが、あったりしますから、意外な影響を及ぼす場合があるようです。
なるべくなら、不要なクレジットカードは持たないに越したことはありません。
また、安易にキャッシングせずに、借りていた場合も、早めに返済されることをおすすめします。
やはりカードローンはすべて解約されておいた方が賢明といえるでしょう。
カードローンの利用については
銀行のほうで個人信用情報を取りますから、全てわかってしまいます。
※ ワンポイント用語解説 個人信用情報とは?
クレジットやローンに関する取引の記録のことです。利用残高や支払い状況の他に、延滞などの事故情報もあります。銀行や保証会社が加盟している個人信用情報機関がら、情報を入手します。
いわゆる消費者金融系での借り入れがあると、審査の評価は、かなり低くなってしまうようです。
心がけその4 消費者金融などに借り入れがあった場合は確認しておきましょう。
消費者ローンだけでなく、全てのローン返済に対して、過去に「延滞」が発生してしまっている場合は、住宅ローンの借り入れは大変厳しくなるようです。
特に、借入や「延滞」の記録は発生から5年〜10年間も、記録として残ってしまう場合もあるよですので、注意が必要です。仮に、身に覚えのない借入が見つかった場合などじゃ、ただちに登録内容の修正手続きをとることが望ましいです。
以下に、過去の借り入れ、延滞状況を確認できる機関をご紹介しておきますね。
全国銀行個人信用情報センター
全国信用情報センター連合会
住宅ローン 審査に受かるための心がけ その5
心がけその5 健康に留意しましょう
住宅ローン申し込み時に、健康を害していることのないように、日ごろから万全の健康管理を行うことが大切です。なんといっても、健康第一、体が資本です。
これから、長いローンを返済していくためにも、元気に働き続けられることが一番ですものね。
とはいえ、いくら日ごろから健康に気を配っていたとしても、100%病気にならないでいられるという保証はどこにもありません。
不運にも、ローン申し込み時に、審査に難色を示されるような病気になっていた場合は?
住宅金融公庫の「フラット35」など、団体信用生命保険が任意加入の住宅ローンへ申し込むという方法があります。
その際には、まさかの時に備えて、住宅ローンの金額相当が補償される、生命保険へ別途加入しておくのが望ましいです。
中には、高血糖値・高血圧などに対して柔軟な対応を示してもらえる団体信用生命保険商品も用意されているようなので、一度確認されてみるのもよいでしょう。
また、今のところ健康に何の問題がなくても将来の不安に備えて、病気保障付きの住宅ローンなどを検討されてみるのもよいかもしれません。
病気保障つきの住宅ローンについて
団体信用生命保険(団信)は、借り手が死亡した場合に、保険でローン残高が精算され、残された遺族に負担がかかることはなくなります。
しかし、重い病気にかかってしまい働けなくなくなってしまった場合、団信の保障は受けられません。
もちろん従来の団信でも、死亡以外に高度障害になった場合も対象になっています。ただ、高度障害というのは、生涯介護が必要になるような重度なもので、三大疾病(ガン、心筋梗塞、脳卒中)などは、対象になりません。
そこで保障対象となる病気の範囲を広げ、4〜5年前から「ガン保障特約付き団信」が登場し、地方銀行を中心に広がりを見せているようです。
その後、さらに、「三大疾病」を対象にした保険が登場しました。
都市銀行や信用金庫などへも広がりを見せています。
さらに、三大疾病にとどまらず、高血圧や糖尿病といった重度の慢性疾患といった、「生活習慣病」まで範囲が拡大しつつあるようです。