元金据え置き返済方法とは
返済方法には、元利均等返済、元金均等返済、ボーナス併用返済のほかにも、様々なバリエーションが用意されています。
たとえば、一部の都市銀行などの金融機関で扱われているのが、当初1年間の元金据え置き返済という返済方法です。
元金据え置き返済とは、元金の返済をせず、利息だけを返済していくというものです。
通常、返済額には元金と利息が含まれていますが、元金据え置き返済の場合に返済するのは利息だけですので、返済額が軽減されます。
例えば、3000万円を金利3%・30年返済で借り入れた場合、
当初1年間を元金据え置き返済とした場合、1年目の返済月額は7万5000円。ちなみに、元利金等返済の場合の返済月額は、12万6481円ですので、通常の返済より5万円以上軽減されます。
ただし、元金据え置き返済の場合、返済しても元金は減りませんから、利息が減らないので、1年間は残債額が変わらないです。
通常の返済の場合、1年後の残債は63万円減って2937万円になります。
しかし、元金据え置き返済の場合、1年経過しても、残債額は3000万円のままです。
返済期間が延びるわけではありませんから、残りの期間は通常より返済負担が重くなってしまいます。。総返済額も元金据え置き返済のほうが多くなります。
固定金利選択型や変動型などの金利上昇リスクがある場合、残債が多いほど金利上昇に伴い返済額の増え幅も広くなります。
では、元金据え置き返済は、いったいどのような場合に活用されるのでしょうか?
例えば、マイホームに入居した当初は、家具の購入や住宅環境の整備など、何かとお金がかかります。また、預貯金を頭金に充ててしまったりして、手持ち資金が乏しくなりがりです。そこで、当初1年間の返済額を少なくしくした分を、こうした生活を整えるための資金に充てたい場合に、元金据え置き返済方法が有効になるのです。
また、まさかの災害に遭ってしまった時の当座の住宅再生などのために活用される場合や返済中に、リストラや倒産、失業などで、返済が苦しくなった場合、一時的な救済措置として元金据え置き返済が認められるケースもあるようです。
いずれにしても、元金据え置きでは元金の返済が進みませんから、特に上記のような、やむをえない事情がある場合以外には、あまり積極的にはオススメできない方法といえるでしょう。