住宅ローン 審査に通らないケースとは
住宅ローンを申し込むためには、事前の準備に、かなりの手間と労力を要します。
審査に通らないと、それらの手間と労力が全て無駄になってしまいます。
がっかりすることもさることながら、いったいどこがマズかったのだろう? とあれこれ気になってしまいますよね。
しかし、審査に落ちた理由は、明らかにされません。
審査を断る時は、断る理由を述べてはならないという規制があるからです。
どうせなら、ダメだった理由をはっきり教えてもらった方が、よほど気分もスッキリして、あきらめもつき、対策も立てられ、次を探せるというものですのにね^^。
ではここでは、一般的に、断られるケースというものをいくつかご紹介したいと思います。
参考になれば幸いです。
ケースその1 勤続年数に問題がある場合
一般的な審査基準として、勤続年数が最低3年間は必要になってきます。すなわち同じ会社に3年以上勤めている必要があるわけです。
貸し手側は、その人が安定した職につき、安定した収入を得ているか、将来も得られるどうかを判断しているのです。
もっとも、最近では、終身雇用時代も終了して、転職に対する理解も深まり、転職市場も活性化していますので、特に勤続年数にこだわらないところもあるようです。
ですが、やはり、短期間に転職ばかりをくりかえしていたり、転職してまだ日も浅い、などという状況では、審査の目も、かなり厳しくなってしまうようです。
ケースその2 消費者金融に借金がある場合
消費者金融に借り入れがある場合は、やはり銀行側も難色を示す場合がほとんどのようです。
返済比率に問題なく、住宅ローンを組んだ場合でも、しっかり返せていけると判断されれば問題ありませんが、
一般的に、複数の消費者金融会社から借入れがある場合は、経済的困難な状況に陥っている場合が、ほとんどです。住宅ローンを組んでいるどころの話ではないのかもしれません。
住宅ローンの申請は、まずは、きちんと消費者金融の返済を完了されてからのお話になるようです。
ケースその3 借り手の健康に問題のある場合
ほとんどの場合、住宅ローンの審査には、団体信用生命保険の審査が必須となります。
団体信用生命保険は、借り手側に、万が一のことがあった時、住宅ローンの残高を完済してもらえる保険です。
借り手側に健康上の問題があり、この保険の審査に通らないと、もし、借り手側に万一のことがあった場合に、保険がおりないわけですから、銀行としてもできればそのような借り手には貸したくないというのが本音でしょう。
ケースその4 対象物件に問題がある場合
市街化調整区域にある物件や、建ぺい率をオーバーしている物件、違法建築など、対象物件に問題がある場合も、当然ですが、審査は通りません。
※ ワンポイント用語解説 1 市街化調整区域とは?
都市計画区域の中で、市街化を抑制するための区域です。
山林地帯や農地などが中心です。市街化調整区域には、基本的に、住居を含め建造物は、許可なしで建てられません。(ただし、例外もあります。国、都道府県、指定都市が建てる建造物。都市計画事業の施工として行う建造物。都市区画整理の一環として行われる場合。などです。)
※ワンポイント用語解説 2 建ぺい率とは?
建ぺい率とは、敷地内でどの程度の建物を建ててよいか、どのくらいの空き地を確保しなければならないのかという度合を示す値です。(建築面積を敷地面積で割った数字を%で表したものです。
)この限度を超えてしまうと、建ぺい率オーバーとなり、建築基準法違反となります。
ケースその5 申告所得が少ない場合
個人事業主の場合、過去2〜3年に渡り、安定した所得を申告しているかどうかが、審査の基準になるようです。
家族経営の場合は、総収入など全体的なキャッシュフロー(実際の現金の流れ)が審査対象に加味される場合もあります。(帳簿の記帳は必須です。)
節税対策を行っている場合、自己申告は低めに設定されていますので、実際の収支をチェックするために、領収書や銀行通帳のコピーなどを審査対象にするという柔軟な対応を示してもらえる金融機関もあるようです。
ケースその6 その他の場合
・自営業(個人事業主、会社経営者、フリーランスのデザイナーなど)の場合
ケースその5とも関連するのですが、自営業の場合は、申告所得
の内容によって左右されますが、一般的に見て、どうしても審査に通りにくくなってしまうようです。
・契約社員、派遣社員の場合
ケースその1でもご紹介しましたように、貸し手側は、その人が安定した職につき、安定した収入を得ているか、将来も得られるどうかを判断していますので、契約社員・派遣社員でいること自体が不安材料となってしまうようです。
・頭金が少ない場合
中には、100%融資可能(頭金なしでもOK)の住宅ローンもあるようですが、その他の審査基準をクリアしていなければならず、実態は、かなり厳しいようです。
